東海道53次を完歩しました

概要

2022年の下旬から2023年にかけて、東海道53次を完歩しました。*1
その行程や記憶に残ったこと、次歩くとしたらどういうテーマを持って歩きたいかなどをまとめてみました。

日程

日程は下記の通りになります。
私は関東圏在住のため、静岡県あたりまでは日程をバラして歩いていましたが、愛知県からはホテルを取り、一回の遠征で連日歩くようにしていました。

日目 時期 行程 距離(km) 宿泊した場合の総距離(km)
1日目 2022.11 下旬 日本橋→品川 7.9
2日目 2022.11 下旬 品川→川崎→神奈川 17.6
3日目 2022.12 上旬 神奈川→保土ヶ谷→戸塚→藤沢 21.6
4日目 2022.12 上旬 藤沢→平塚→大磯 16.6
5日目 2022.12 下旬 大磯→小田原 15.7
6日目 2022.12 下旬 小田原→箱根 16.6
7日目 2023.01 上旬 箱根→三島 14.8
8日目 2023.02 下旬 三島→沼津→原→吉原 23.6
9日目 2023.02 下旬 吉原→蒲原→由比→興津 24.3
10日目 2023.03 上旬 興津→江尻→府中 14.7
11日目 2023.03 下旬 府中→鞠子→岡部→藤枝 20.4
12日目 2023.04 下旬 藤枝→島田→金谷→日坂→掛川 26.2
13日目 2023.05 上旬 掛川→袋井→見附→浜松 32.0
14日目 2023.05 下旬 浜松→舞阪→白須賀→二川→吉田 32.1 32.1(1日目)
15日目 2023.05 下旬 吉田→御油 10.3 40.4(2日目)
16日目 2023.06 上旬 御油→赤坂→藤川→岡崎 17.2
17日目 2023.06 下旬 岡崎→知立 15.0 15.0(1日目)
18日目 2023.06 下旬 知立→鳴海→宮 17.6 32.6(2日目)
19日目 2023.09.下旬 桑名→四日市 12.7 12.7(1日目)
20日 2023.09 下旬 四日市→石薬師→庄野→亀山 21.4 34.1(2日目)
21日目 2023.09 下旬 亀山→関 5.9 40.0(3日目)
22日目 2023.10 下旬 関→坂下→土山→水口 26.9 26.9(1日目)
23日目 2023.10 下旬 水口→石部→草津 25.5 52.4(2日目)
24日目 2023.10 下旬 草津→大津→三条大橋 26.2 78.6(3日目)

思い出に残った区間

6日目 小田原→箱根

東海道難所の箱根峠を小田原側から登りました。
日本橋から小田原までの区間は、東海道の中でもかなり都会で平坦な区間ですが、小田原から箱根は、かなりの坂道で旧道の石畳の道が現れたりと、いきなり難易度が上がりました。
山登りや石畳など慣れていなかったため、この区間のみで一日の旅を終えました。



途中の甘酒茶屋で飲んだ甘酒がかなり美味しかった記憶があります。
今まで甘酒を美味しいと思って飲んだことがありませんでしたが、ここの甘酒はかなり美味しかったです。

7日目 箱根→三島

1月の朝の芦ノ湖はかなり寒かった記憶があります。
小田原から箱根の区間は何人か登山者がいましたが、箱根から三島の区間は一人もいませんでした。
人がいない分、道が静かで面白かったです。
序盤の石畳の坂では人一人分くらいの狭さの坂を進みました。前日雪だったこともあり、滑りそうになりました。


特に、接待茶屋のあたりからの旧道は雰囲気が良く、また歩きたいと思っています。


12日目 藤枝→島田→金谷→日坂→掛川

この日は東海道の旅で一番キツかったです。
金谷から日坂の区間にある小夜の中山で入口が工事中で、小夜の中山の隣の山を登っていました。
GPSにもルートが記載されていなかったようなところで、本気で焦ってしまいました。
幸いにも途中で小夜の中山のルートと合流することができたため、一命をとりとめました。
あたりにお茶畑しかなく、一人山の中で迷った恐怖は今思い出してもゾッとします。
小夜の中山と合流し、本来の東海道のルートに入ってからは、お茶畑の壮大さにただただ圧倒されながら進みました。




14日目 浜松→舞阪→白須賀→二川→吉田

この日は東海道の旅で二番目にキツかったです。
浜松から舞阪の区間にある道はずっと直線が続いていつ終わるのだろうか?と不安になりました。

舞阪から白須賀の区間にある旧浜名街道は雰囲気が良く、いつかまた訪れたいです。

白須賀にある潮見坂は、訪れるまで把握しておらず、箱根峠以上に絶望しながら登っていました。


愛知県に入ってからは夜の道をずっと絶望しながら歩いていました。

21日目 亀山→関

東海道の中で最も好きな区間だったかもしれません。
野村一里塚は、東海道の一里塚の中で一番好きでした。

そして、前半は趣のある昔ながらの道を歩きました。こういった静かな道が一番好きです。

後半は鈴鹿川沿を歩きました。何もない感じが昔の東海道の様子と重なり昔に思いを馳せながら歩くことが出来ました。

持ち物

常備したもの

リュック

短日の場合は25Lのリュックを、連日の場合は40Lのリュックを背負いました。
スマホ、地図、GoPro、モバイルバッテリー、財布などすぐに取り出せるように、前にウエストポーチがあるようなリュックがオススメです。

財布

最近は、現金を持ち歩かない人も増えてきましたが、街道歩きに現金は必須です。
街道沿いにある商店や飲食店、寺社、資料館はほぼ現金しか対応していません。
また、旧街道沿いは基本コンビニはないため、水分は自販機で買うことが多かったです。そのため、現金が必須となります。
財布の中には1万円札x1, 1千円札x10, 100円x5, 10円x5くらい入れておくと安心です。

montbelのウォーキングシューズを買いました。
大磯宿からこのシューズを使いましたが、岡崎あたりで靴の右小指のあたりが破れてしまいました。
ウォーキングシューズでも敗れるほどなので、スニーカーはあまりオススメできません。

地図

東海道歩きには持っていく地図は大きく2つあります。

好みな方を選択すれば良いかと思います。

私は『ちゃんと歩ける東海道五十三次』を持って歩きました。
本には史跡の説明などがあるため、読みながら歩くと昔の人の思いにふけることができ、面白いです。
*2
Googleマップを使うという方法もありますが、旧東海道と全く関係がないルートがオススメされることが多く、一里塚や見附跡などを見落とす可能性が高くオススメできません。
もし、本を持ちながら歩きたくないのであれば、上記の本を自炊してスキャンしておくか、写真にとって、スマホにデータとして取り込んでいくと良いかと思います。

モバイルバッテリー

Ankerのスマホを2回分充電できるモバイルバッテリーを持っていきました。
モバイルバッテリーは発火事故の事例もあるので、下手に安い安いものを購入しないほうが良いです。
私はAnkerの20000mAhのモバイルバッテリーを持っていきました。
大容量なので1日歩いても充電がなくなるということはありませんでした。
1つ不便だったところはType CからType Cへの充電が出来なかったところです。

スマホ

私はこの旅で100GB分程度の写真を撮りました。
現代はプロでもない限り、高性能のスマホで撮ったほうがカメラよりキレイに写真が撮れます。
画質が悪かったり、手ブレ補正が弱かったりすると、何万枚の写真も無駄になってしまうため、出来るだけ高性能のスマホを買うことをオススメします。
カメラの設定でGPSをONにしておくと、後から撮影場所を追跡できるのでオススメです。
連日歩くような場合は、予め容量の大きいスマホを用意するか、クラウドに転送できるようにしておくと、途中で容量に困ることなく重いPCを持たずに済みます。

また、スマホケースには落下防止のために腕にストラップを掛けられるようにしておくと良いです。
橋の上から川を撮るときや峠道を歩いているときに、うっかり手をすべらせてスマホを落とさないようにしておくことが重要です。
自分の場合はスマホケースにリングを付け、そのリングにストラップを結び、手に通していました。

湿布・絆創膏

最初のうちは歩き方が分からないため、必ず豆が出来ると思います。
破裂したときに絆創膏は必須です。
また、連日の歩きですと、リュックの背負いすぎで肩を痛めたり、脚の肉離れが起きます。
少しでも翌日に痛みを残さないため、寝ているときに湿布を貼り、治療することが重要です。

帽子

初期は帽子をせずに歩いていましたが、未だに日焼け跡が残っています。
今の時代、一日外で焼いてしまうとずっと日焼け跡が残るくらいに日焼けは危険なものです。

あると嬉しいもの

御朱印

東海道では各宿場町ごとに「御宿場印」というものがありますが、私は貼り付けタイプの御朱印が好きではないのでやりませんでした。
また、御宿場印は貰える場所が本陣から離れていたりや、閉館時間が早かったりするようです。
もともと御朱印集めをやっていたこともあり、御宿場印ではなく御朱印を集めることにしました。

手袋

以外に役立ったのが手袋でした。
スマホや地図をズボンのポケットに何回も出し入れしていると指の皮が剥け、ささくれができます。
手袋をしていれば、その心配がなく、また、日差しで手が焼けずにも済みます。
自分はスマホを操作したいのもあり、親指と人差し指のみが出ている薄手の手袋を装着していました。

ペットボトルホルダー

ペットボトルは前方から取り出せるようにしておくのがオススメです。
特に40Lなどの大きいリュックでは、いちいちリュックを下ろしたり、後ろに手を伸ばすと疲れてしまうため、前に置いておくことをオススメします。

次は持っていこうと思ったもの

椅子

100均で買えるような椅子を持っていくと良いと思いました。
長時間歩くと靴の中が蒸れて水ぶくれができます。そのため、2.5kmを目安に休憩をとるようにしていました。
ベンチのある公園や神社があれば嬉しいですが、5km歩いても現れないような区間もあります。
また、せっかくベンチがあっても泥で汚れていたり、日差しが強く休憩にならなかったり、先に現地の人が座っていたりと、真の意味で休憩できるような場所は滅多にありません。
自分で椅子を持っていけば、日陰があればそこに椅子を設置して休むことができます。

GPSロガー

東海道を歩いた記録として、写真や動画がありますが、最もオリジナルなものはなにかと考えたとき「軌跡」が挙げられるのではないかと思います。
次の長期歩き旅ではGARMIN Watchを装備していきたいと思いました。

サングラス

日差しが眩しいと目が疲れます。
また、ホコリや風で目が乾燥すると、夕方頃にはかなり目が疲労していました。
このような害から目を守ってくれるものとしてサングラスは重要だなと思います。
次の長期の歩き旅からはサングラスを持っていこうと思います。

もし再び東海道を歩くなら

タイトルの通り、もし再び東海道を歩くとしたら次はどのようなテーマをもって歩くかを考えました。

御朱印めぐり

今回の旅では、行きたかったけど行けない寺社仏閣が沢山ありました。
今回、東海道の宿場町の名前にもなっている、石薬師寺御朱印帳を購入したので、再び東海道を歩くとしたら、石薬師寺御朱印帳を埋めながら歩いてみたいです。
東海道で、古くから信仰の対象になっていた寺社の例としては下記があるようです。

連日で歩く

今回の旅では、週末ごとに、前回の終点まで電車で行き歩き始めるのを繰り返していました。
その結果、電車賃がかなり高くつき、また、翌日仕事があるにも関わらず、終電の新幹線に間に合わせるために駅まで走ったこともありました。
そもそも、新幹線の駅近くの宿場町が旅の終点となるように無理やり区間を設定した節もありました。
このようなことが無いように、連日で歩いてみたいです。

ただ、日をまたいで歩いたことで良い点もありました。
それは、足の疲れをリセットできたことと、頭の整理ができたことです。
足の疲れをリセットできたことは、足の豆や筋肉痛の痛みを自宅で治すことが出来たということです。
連日で歩くと、翌日に疲れや痛みを持ち越すことになるため、より体調管理が重要になってきます。
頭の整理が出来たことについては、各旅ごとにブログを書いたため、「どこに何があったか?」かが頭に焼き付きました。
連日歩いてしまうと、短期間で一気に沢山のことがインプットされてしまうため、町や道などの景色については思い出に残りづらいのではないかと思いました。

*1:宮(熱田)から桑名は「七里の渡し」と呼ばれる水路であったため歩いていません

*2:引用:新版 ちゃんと歩ける東海道五十三次 東 江戸日本橋~見付宿 +姫街道 | 山と溪谷社

*3:街道からは離れているので参拝だけの日を設けたほうがよいかも